【2017年9月20日 |
カテゴリー:輸入ビジネス |
松田税理士事務所
】
銀行カードローンの実態調査へ 麻生金融相が表明
過剰な貸し付けが問題になっている銀行のカードローンについて「審査の厳格化を徹底するために検査を実施する」と述べた。カードローンのホットラインも開き、利用者から直接情報を集める体制も整えると表明した。
出典:日本経済新聞 2017/9/1
9月1日の日経の朝刊で麻生金融相が、個人の銀行カードローンの審査を厳格化を表明しました。実はこの前段階でも問題が生じていることを本日のエントリーで書いてみたいと思います。というのも法人が個人名義のクレジットカードで仕入れをした結果、その返済に困ってしまい、最終的に銀行のカードローンを利用してしまうケースが少なからずあるからです。つまり、前段階である、法人が仕入れ目的で個人名義のクレジットカード利用を減らすことができれば、結果的に、 個人の銀行カードローンを利用する人も減るのではないかということが予想できるのです。
【2017年7月26日 |
カテゴリー:輸入ビジネス |
松田税理士事務所
】
「Amaonでの販売ができなくなり、結果クレジットカードの支払いができなくなったので会社をたたみます。」という内容のメールがつい昨日お客様から送られてきました。
ずっと資金繰りに窮していたので心配はしていたのですが、やっぱりというかとうとう会社の継続が難しくなる状況がきてしまいました。そのお客様は、海外のAmazonやebayなどのネットショップ等から商品を仕入れて日本国内のAmazonやヤフーショップで商品を販売していました。俗に「個人輸入ビジネス」や「転売屋」などと言われているようです。「個人輸入」とは言うものの法人形態で行っている人が多いようです。
約7〜8年くらい前に非常に盛り上がり出した業種です。「ネット個人輸入で誰でも儲けるセミナー」などが日本中の至る所で開催されていました。そこには「専業主婦でも簡単に月100万円!」「パソコン1台あればすぐに始めれます!」「世界中を旅しながら稼ぐことができます!」という触れ込みだったと思います。本屋で売られている、ebayやAmazonのネット個人輸入やネット個人輸出の本をめくると、いかにも誰かのサクセスストーリーが自分の手元にも転がり込んでくるような、そんな錯覚を覚えさせてくれます。
確かにコツを掴むと、一時的には月100万円の売上高を上げることも可能かもしれません。しかし、それを継続することが非常に難しいのです。儲かり出すとすぐに真似されてしまうからです。しかも、今どんな商品が売れているかは、専用ツールを使えば誰でも分かるのだそうです。であればなおさら誰でも真似をします。真似をされるとまた儲かる商品を見つけるのです。そしてまた真似され・・・ということの繰り返しです。常に走っているような状況が永遠と続いてしまうのです。そして、資金繰りにも頭を悩ませる事になります。夜も土日も、頭から仕事のことが離れることはありません。休日のレジャーも心から楽しめなくなってしまうのです。
「商売の要は仕入先にあり」
ネット個人輸出入販売が稼ぎ続けることが難しいことの原因を一言で言うと「仕入先と契約書を交わしていない」からです。「誰でも仕入れることができる場所で仕入れている」ということは「すぐに真似をされてしまう」ことを意味しています。例えば、ある人がAという儲ける商品をパソコンだけで見つけたとしても、他の誰かもその商品をパソコンだけで見つけることができるはずです。そして、その商品を販売している会社は、仕入れてくれる業者が多くなるほど売上高が上がるので、また契約書も交わしていないので誰にもでも売ってしまいます。
そもそもネット個人輸出入販売のビジネスモデルに問題があるのだと言えます。通常は、仕入先と流通ルート(その商品を自社以外に売らないこと)や価格などについてきっちりと書面にて契約を交わします。そのような契約書を仕入先と交わしていないので非常に厳しいビジネス形態と言えるかもしれません。しっかりした仕入先を確保していれば、魅力的な売り先は自ずとついてくるものです。しかし、その反対はないのです。まさに「商売の要は仕入先にあり」です。
税理士事務所泣かせの会計処理と税務処理
当事務所では、約5年くらい前から個人事業主でも法人でもネット個人輸出入販売のお客様の関与はしておりません。というのも、この業種特有な事象として、頻繁に仕入先が変わるので、内容確認のための作業が多くなってしまうということです。また、クレジットカードで仕入れるので仕訳処理数が半端なく多くなるということもあります。現在は、クラウド会計があるのでその点の大部分は解消すると思いますが。
一方、多くの会社は仕入先や売上先は毎月ほとんど同じなのです(つまり事業が安定しているということです)。なので、慣れれば数ヶ月で、クレジットカード明細や通帳の摘要欄から内容を類推できるのです。しかし、ネット個人輸出入販売はそうはいきません。初めての摘要語句が毎月発生することも珍しくなく、その都度確認する必要がでてきます。また、税務処理で言うと、IRS(アメリカ歳入庁)関連の書類の作成を依頼されることも珍しくありません。他のお客さんと比較して会社をたたむという頻度もそれなりに起こってしまい、そのような状況から当事務所としては関与自体を徐々にしなくなりました。
まとめ
一時期は本屋に行くと、ネット個人輸出入販売で儲ける本が本棚の最前列に並び、それなりに販売数も多かったように思いますが、今はほとんど新刊も出ていないようです。現在は、ブログをプラットフォームにして稼いだり、noteやvaluなどネットで稼ぐ方法がいろいろと出てきているのもその理由かもしれません。
貴社の強みは何ですか?技術力?商品力?これにすぐに答えることが出来ないと、会社の継続は非常に厳しいです。少なくとも一朝一夕に他社が追いつけないような技術力を有するか、他社が羨むような商品を独占販売することができれば、会社の継続はそれほど難しくはないと思います。
【2012年4月15日 |
カテゴリー:輸入ビジネス |
松田税理士事務所
】
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Pont des amours,Annecy |
先日のエントリー「ネット輸入ビジネス業者が押さえておくべき会計処理あれこれ」では、 輸入の会計処理について俯瞰的に書きました。本エントリーでは、もっと個別的な観点から書いてみたいと思います。具体的には、輸入仕入に関する仕訳処理、勘定科目とその消費税区分についてです。前提条件として、消費税課税事業者であり、100%課税売上用仕入である場合の話です。
まずは、弥生会計、EPSON財務応援ともに「輸入仕入」という勘定科目を新たに作成します。(勘定科目の作成は必須ではないですが、国内仕入とは別科目で管理されることをお勧めいたします。)
税抜処理を選択している場合・・・弥生会計
勘定科目 |
消費税設定項目 |
内 容 |
輸入仕入 |
課税対象輸入本体 |
商品本体 |
輸入仕入 |
課税対象輸入本体 |
関税 |
仮払消費税 |
課税対象消費税4% |
消費税 国 4% |
仮払消費税 |
地方消費税貨物割 |
消費税 地方税 1% |
輸入仕入 |
課税対象輸入本体 |
通関料(郵便事業株式会社) |
税込処理を選択している場合・・・弥生会計
勘定科目 |
消費税設定項目 |
内 容 |
輸入仕入 |
課税対象輸入本体 |
商品本体 |
輸入仕入 |
課税対象輸入本体 |
関税 |
輸入仕入 |
課税対象消費税4% |
消費税 国 4% |
輸入仕入 |
地方消費税貨物割 |
消費税 地方税 1% |
輸入仕入 |
課税対象輸入本体 |
通関料(郵便事業株式会社) |
では、次に弊事務所でメインで使っている会計ソフト、エプソンの財務応援の場合です。
【2012年4月10日 |
カテゴリー:輸入ビジネス |
松田税理士事務所
】
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Versailles,France |
弊事務所には、ネット輸入ビジネス業者のお客様が比較的他事務所よりは多いかと思います。そのため冒頭の命題に関する質問をよく受けています。ebayや海外のネットショップから仕入れるケースなどは、特殊なお金の流れになるのでいろいろと注意することがあります。ということで、本エントリーは、ネット輸入ビジネス業者の会計処理について書いていきたいと思います。
*このエントリーで使っている「輸入ビジネス事業者」とは、法人が海外のネットショップやebayで商品を仕入れ、 日本へ輸入し、日本国内のネットショップやヤフオクで販売する事業者のことを指しています。
仕入れ時に利用する個人名義のクレジットカードについて
法人でも海外のネットショップやebayからの仕入れは、個人名義のクレジットカードで行われることが多いようです。その際、セキュリティ等の関係から決済はpaypal経由で行うことが一般的かと思います。そして、paypalに登録されるクレジットカードは、多くの場合は個人名義です。 そこで問題となるのが、仕入れ代金の支払(決済)は、法人口座ではなく、個人口座から引き落とされるということです。なぜなら、クレジットカードの引き落とし口座が個人口座になっているからです。しかし、通常は法人が行う仕入れ代金の支払いというのは、法人口座から支払うのが一般的です。
税務上の解決策として、その月のカード明細書の中から、仕入れ代金等の合た金額を、引き落とし日に法人口座から個人口座へ同額を振替えることをお勧めします。(現実的には、カード決済代金には仕入れ代金のほか転送業者へ支払う手数料などを含んでいるので、それら事業で要した合計金額を引き落とし日に法人口座から個人口座へ振替えるのが分かりやすいと思います。)
また、クレジットカードの利用限度額や利用するマイレージバンクのサービス等の理由から、数種類のカードを利用することが一般的だと思います。その際は、カード種別ごと、引き落とし日ごとに処理することになります。特に理由がない、給与以外の法人口座から個人口座への出金は「認定賞与」となります。それを回避するためにも、きちんと証拠を残しておくことが重要です。