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2016年 総括


今年変化したこと

 平成28年10月15日、3回目の事務所移転をしました。約10年前、箕面市に50㎡の事務所を借りた際はスタッフを増やしていこうと考えていましたが、数年前位から、性格的、能力的に、正社員を雇って事務所を大きくすることが自分には合わないと思うようになりました。自分と在宅勤務のパートさんだけで税理士事務所をやっていくのが一番合っているのではないかと悟ったのです。

そうなると、50㎡の事務所は大き過ぎます。そのようなことから、昨年4月に大阪府豊中市の自宅マンションに事務所機能を移転させました。そして、今年10月、自宅引っ越しに合わせて再びに大阪府箕面市に事務所を移転しました。それとほぼ同時に、3年半頑張ってくれていた在宅勤務のスタッフが育児問題で辞められました。2016年は公私ともに大きく環境が変わった1年でした。

初心に還る

 現在の事務所がある箕面市は非常にコンパクトな街で、主に住宅地が中心の街です。自分の仕事のやり方を見つめ直した際にいつも思うことは、大きな事務所を目指すのではなく、自分の目の届く範囲内でしっかりと顧問先様を見ていくということです。そもそも、ひとりで税理士事務所をやっているので、大規模案件を抱えられるわけではなく、依頼されても難しいのかもしれません。

 自分の仕事の許容量を自覚して、自分のやれる範囲内でやれることをしっかりとする。と書けば、簡単なようなのですが、やはり売上が上がってきたり、同業者の事務所が大きくなっていったりなどで、軸がブレる時がたまにあるのです。そのようなときこそが要注意なのです。ちょうど今年開業10年を迎えたこともあり、改めて初心に還ろうと思った次第です。

スタッフを雇うか雇わないか

 3年半頑張ってくれていた在宅勤務のスタッフが辞められた後は、どうしようかと悩みました。しかし、時間が経つにつれ、この際、ひとりで税理士事務所をやっていこうかと思うようになりました。

 優秀なパートスタッフがいるに越したことはないのですが、いなくても現在では、STREAMEDMFクラウド会計などの便利なサービスを使いながら、ひとりでも税理士事務所をやっていけるのではないかと、ここ2、3ヶ月で感じてきたことです。人を雇っても100%任せる事はできないうえ、人を雇うことのデメリットもあります。それは、コミニュケーションコスト(指示を出したり、業務後の確認作業、業務の進捗管理など)が発生することです。業務量にもよるかと思いますが、50社も100社も顧問先がないのなら、ひとりで税理士事務所をやっていくのもひとつの方法かもしれません。便利なサービスがまだなかった10年前には考えられないことでした。

小さな池の大きな鯉

 大学卒業してすぐ入社した当時の会社(上場繊維会社の子会社)の社長が、「大きな池の小さな鯉」になるのではなく「小さな池の大きな鯉」を目指すと言われたことが今でも強く記憶に残っています。上場企業の子会社だからそのような戦略ではなく、上場企業である親会社もその戦略を取っていました。世の中に出す製品のほとんどが市場シェア1位という会社でした。しかし、業界最大手はそのような戦略は普通取ることはなく、むしろ「大きな池の大きな鯉」を目指すのだと思います。

 しかし、他と差別化して自社の強みを活かす経営戦略では「小さな池の大きな鯉」を目指すのということがいいのかもしれません。ひとりでやっている税理士事務所も同じことで、「小さな池の大きな鯉」になることを考えるのが良いと思います。小さなマーケットを見つけ、その中で他に負けないような技術や商品を提供していくのがいいのではないでしょうか。

業界内での自分の立ち位置を明確にする

 業界内での自分の立ち位置はどこなのか?どのような層をターゲットとして業務をしていくのか?と考えることは非常に重要です。ひとりの税理士事務所でも、箕面市のようなコンパクトな街ならそれなりに存在感を発揮することができます。「小さな池の大きな鯉」戦略では、間違っても大阪市内で税理士事務所をやろうという考えは持つべきではないと思っています。

 私にとっての「小さな池」とは、営業地域をコンパクトシティである「箕面市」に絞った戦略であり、「社長のみの法人相手の税務顧問サービス」であり、もしくは日本全国をマーケットにしたニッチなサービス「Mac対応会計事務所」なのです。そのマーケットの中で特徴のある税理士事務所になれればと思っています。
ということで、来年もよろしくお願いします。


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