他の都道府県に本店異動した時に必要な手続き




今年、顧問先様が本店移転されました。その際に、改めて本店移転することは大変なことだなと思ったので、備忘録としてエントリーを書いてみたいと思います。すべて弊事務所が行ったわけではなく、司法書士さん、代表者の方、そして私と共同して手続きを完了させました。それにしても、いろいろと大変でした。お客さんはもっと大変だったと思います。

1.登記
「変更登記申請書」の用紙で本店移転の手続きを移転後の管轄法務局で行います。同時に、代表者の住所変更の登記も行います。各様式は法務省の商業・法人登記の申請書様式からからダウンロードできます。本店移転の登記費用は同一市町村内の場合は30,000円、市外への移転の場合は60,000円です。代表者の住所変更の登記費用は10,000円です。司法書士さんに依頼する場合は、その報酬も発生してきます。印鑑カードの申請も移転後の法務局にて行います。

 

2.定款
本店所在地が、番地まで記載している場合には、定款の変更も必要になります。

 

3.住民税の特別徴収
「特別徴収所在地変更届出書」の用紙で移転前の市税事務所または市役所で手続きを行います。その際、謄本コピーの添付が必要になります。手元にある特別徴収の納付書はこれまで通り、移転前の市役所に納付となります。移転後の市役所へ納付するのは、翌年からとなります。

 

4.社会保険の移転手続き
「健康保険・厚生年金保険適用事業所所在地・名称変更(訂正)届」の用紙で、移転前の管轄年金事務所で手続きを行います。その際、移転後の本店所在地が記載された謄本コピーの添付が必要になります。移転前の年金事務所へ出向くか郵送等にて提出します。健康保険証については移行後に新しい保証証が届きます。その際、遅滞なく旧健康保険証を移転前の管轄年金事務所へ返却してください。年度更新のタイミングで手元に算定基礎届の書類が届いている場合は、その書類も移転前の管轄年金事務所へ提出することになります。

 

5.労働保険の移転手続き
「労働保険名称・所在地等変更届」の用紙で移転後の管轄労働基準監督署にて手続きを行うことになります。複写式の用紙なので、必ず労働基準監督署へ出向いての手続きとなります。原則として、謄本は必要ありません。移転前の管轄働基準監督署には何の手続きの必要はありませんが、年度更新のタイミングで手元に労働保険申告書が届いている場合は、その申告書は移転前の管轄労働基準監督署へ提出することになります。

 

6.雇用保険の移転手続き
5の労働保険の移転手続きが完了しましたら、「雇用保険事業主事業所各種変更届」用紙で移転後の管轄のハローワークへ行って手続きします。必ず、労働基準監督署へ行った後で行うことになります。添付書類は、代表取締役印、移転後の管轄労働基準監督署で交付される書類控え、移転前のハローワークで受領した雇用保険適用事業所設置届の控え。

 

7.国税関係
【移転前の管轄税務署】→以下の書類を提出します。謄本と定款等の添付書類は必要ありません。
(1)異動届出書
(2)消費税異動届出書
(3)給与支払事務所の廃止届出書

 

8.地方税関係
(1)府県税事務所→移転前と移転後の府県税事務所へ異動届出書を提出します。添付書類は、謄本と定款のコピー(但し、定款の本店所在地の変更がなければ定款は不要)。
(2)市税事務所または市役所→移転前と移転後の市税事務所または市役所へ異動届出書を提出します。添付書類は、謄本と定款のコピー(但し、定款の本店所在地の変更がなければ定款は不要)。

 

その他に封筒、名刺、表札等の作り直し、各関係先への挨拶状の作成、許認可事業を行っていれば、それに関しても手続きが必要になってきます。また、金融機関、電話、インターネット回線、水道、電気料金、リース、事務所契約、駐車場契約、車の車検証等の各手続きも必要になってきます。

とにかく、府(県)をまたいでの本店移転は膨大な手続きが必要になってきます。会社の物理的な引越し作業に加えて、これらの事をこなしていくことになるので、それなりに大変だと覚悟が必要になってきます。会社設立時の本店所在地の決定にあたっては、設立後気軽に本店移転はできないということを念頭に決めることが重要になってきます。