フランスの在宅勤務事情と働き方の違い




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フランス語を学習していることは外国語学習のススメーなぜフランス語を学習するのか?のエントリーで書きました。その理由は、一言で言うと「日本以外の価値観を知ることができ、その結果、自分自身の考え方の幅が広がる」というメリットがあることを力説しました。昨年に仏検準2級に合格し、さらに今年6月に2級を受験しましたが、こちらは予想通り不合格になりました。

それはさておき、フランス語学習の一環として、私はNHKワールドニュースの「FRANCE 2」を毎日観ています。そこでフランスの在宅勤務事情が紹介されていました。フランス国鉄に勤めている男性が、会社から転勤を命じられました。そこで家族に相談するものの家族は引っ越しに反対。やむなく退職しようとしたが、会社から引き止められ1週間に3日の在宅勤務と、残り2日の長距離通勤が認められたという内容でした。

この放送を見て2つの視点からフランス人と日本人の働き方の違いを感じました。

一つ目は、フランスでは家族揃っての引っ越しを伴う転勤は、非常に稀であるということです。もしそのような状況になれば退職を選択する人も多いのです。フランス人にとっては、仕事で自己実現する考えはほとんどないようなのです。フランス人にとっての最優先は家族であり、2つ目は趣味、ヴァカンスであり、3つ目くらいにようやく仕事が来るという感じなのす。あくまで私のフランス人の友人からの情報ですが、現地で生活している日本人のブログ情報をみても概ねその情報は当たっていると思います。家族の反対で転勤を諦めて退職するという選択は、日本ではほとんどないと思います。

つまり、フランスでは仕事に対する価値が日本ほど高くなく、あくまで最低限生活するために働くと割り切っているのです。どちらかというと日本は仕事(労働)に対する価値が人生において最重要であるかのごとく世間にまかり通っているように感じます。ただ、個人的には、将来的には日本人の労働に対する価値観も現在よりは低くなるのではないかと予想しています。他方、「ベーシックインカム」について、最近あちらこちらで議論がされているようですが、その前にまず日本人の労働に対する価値を下げることから始める必要があると思っています。

二つ目は、日本よりも在宅勤務がより多く取り入れられているということです。重要なセクションで働いている人が退職すれば、会社はその代わりになる人を探すことが非常に難しいのです。しかし、在宅勤務を導入することにより能力や経験のある従業員の退職を阻止することができるので、会社側にとっては非常に大きなメリットです。もちろん従業員にとってもこれまで通り慣れ親しんだ仕事を続けられるということと、「職住近接」というワークライフバランスを実現できるという大きなメリットがあります。

しかし、デメリットもあり、最終的な打ち合わせなどはテレビ会議ではなく、直接顔を合わせての打ち合わせの方が遥かに効率的で捗るということもニュースでは言っていました。これはそのまま一般社会や税理士業界でも当てはまることかもしれません。テレビ会議などで話すことは出来ても、やはり少なくとも年に1回は直接お客様と顔を突き合わせて打ち合わせをすることは重要であると感じています。それ以外にも、自宅に仕事スペースがあると、ついつい夜遅くまでメールチェックなどをしてしまうのだそうです。これは、日本人と同じだなと思いました。かくいう私も、事務所がありながらも週の半分は自宅で仕事をしているので、これは肝に銘じなければならないと感じました。やはり自宅でするとオンオフの切り替えが難しいのです。

このフランスでの在宅勤務、概ねうまく機能しているようです。その理由は100%在宅勤務ではなく、仕事の内容によって、在宅勤務と通勤を使い分けていることかなと感じました。一方、会計事務所の在宅勤務ではというと、入力業務だけなら100%の在宅勤務で問題なさそうです。税理士法に2ヶ所事務所の規制もあり、税理士業界では一般企業のような柔軟な在宅勤務を導入するのが難しいのが現状です。そのような時代も早く終わって欲しいなと思うばかりです。