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税理士の集客web戦略はブログよりホームページの方が効果的


 同業者のブログはいろいろと見ているのですが、その中で「ブログで集客する」税理士が意外と多いことに気づきました。webでの集客方法はひとそれぞれやり方があるので、どれが良い悪いというのはないと思います。ただ、いろんな考えがある中で、改めて私がブログを書く目的や動機と集客web戦略について考えてみたので、その辺りを本日のエントリーで書いてみたいと思います。単に考え方のひとつとして「あ〜こういうやり方や考え方もあるんだな」くらいの軽い感じで読んでもらえたらと思います。

ブログは広報部門としてのオウンドメディア

 まずブログの位置付けを考えた場合、やはり私の中ではブログは営業部門ではなく広報部門としてのオウンドメディアであるべきだというのがあります。簡単に説明するとそれは自社サービスの紹介やそれらの解説、代表者の考え方や人柄をブログで発信するというものです。どちらかと言うとメインの会社サイトで提供不足になっている部分を補うという意味での副次的な位置づけになります。会社サイトでは、特に後者の代表者の考え方や理念、人柄を伝えるには限界があります。興味を持って訪問してくれた人に追加的な情報を提供するうえでブログ(またはtwitter)は非常に役立つと考えています。

 オウンドメディアの意味をもっと深く掘り下げてみると、税理士事務所(あるいは企業)の自社評価や価値を高めるためのメディア(サイト)であり、結果として問い合わせが来ることはあっても、あくまでそれは結果であり、目的にはなり得ないものだと思っています。オウンドメディアである以上は広報的役割に徹するのが良いのかなと思っています。

 例えば、この税理士に依頼しようと思っても、人柄や考え方が分からなければなかなか問い合わせをしようという気にはなりません。ブログを見ることにより、代表税理士の人柄や事務所の方向性を分かってもらえることができれば、ブログとしての役割は90%達成出来ているのではと思います。

 ブログの更新頻度についても、意見の分かれるところですが、オウンドメディアである以上は毎日更新する必要はなく、適度な頻度で更新していけばいいのかなと思います。一時期、毎日更新しようと思う時期もありましたが、自分自身にそのようなパワーも根気もなく、いろいろ新しいことにも興味があるので早々に断念してしまいました。毎日更新している方に対しては本当にすごいと思っています。

web集客は2017年現在も地域キーワードが最も有効

 webで集客を考えた場合、やはりブログではなくメインである会社サイトで行うのが効率的であり王道だと思っています。古典的な方法かもしれませんが、まず需要のあるキーワードを検討します。昔はヤフーのキーワードアドバイスツールなどがあったのですぐに調べることが出来ました。しかし、なくなってしまった現在は調べることが出来ないのですが、基本的には当時からの需要キーワードというのは変わらないと思っています。では、需要のある、集客できるキーワードというのはどういうキーワードなのでしょうか。それはやはり「税理士+地域」だと思います。「職業 地域」、それがいつの時代もどの業界でも通用する集客キーワードだと思っています。

 現実に私はこれまでの集客のほとんどは「税理士 豊中」や「税理士 箕面」などの地域を絡ませたキーワードで多くのお問い合わせを頂いて、ご契約いただいております。なぜそれがいいのかと言えば、一般的に経営者というのは会社に近い税理士を望みます。技術的には skype や web 会議などのツールを使えば遠方のお客様の関与は可能です。しかしそれはレアケースであり、基本は会社の近くまたは経営者の自宅近くの税理士に頼む傾向が強い気がします。そうである以上は、 繰り返しになりますが「税理士 地域」のキーワードで上位表示して集客する、これがやはり王道中の王道だと思います。

 その他、リスク分散、集客チャンネルを増やす意味でメインサイトとは別で「決算サイト」と「会社設立サイト」を運営しています。こちらからも定期的に問い合わせがあり集客に役立っています。

ニッチキーワードで集客するのも有効

 「税理士+地域」で集客する方法の他に、ニッチキーワードで集客する方法も一定の効果があります。私の経験上の話をすれば、「Mac対応 税理士」というキーワードです。このキーワードで集客を始めたのは、2009年くらいからです。当時、Mac対応の税理士事務所はありませんでした。そこで、A&A会計(*1)という使いやすいMacの会計ソフトを見つけ出し、その会計ソフトの導入サポートをしたら全国から問い合わせが来ました。その中から条件の合う会社とご契約いただきました。現在もお付き合いは続いており、私の事務所の売上の約1/3が「Mac対応 税理士」で集客したお客様です。

(*1)現在は販売終了になっています。

もしかして地域キーワードの上位表示が難しくなり過ぎているのか

 地域キーワードでの上位表示は約10年前と比較すると驚くほど難しくなっています(*2)。理由は、競合が増えたことと、かつては容易であったSEO対策が複雑かつ高度になり過ぎていることだと思います。「地域キーワードでの上位表示が難しい」という背景もあって会社サイトではなく、ブログで集客する人が増えているのかもしれません。コンテンツSEOの時代といいますが、やはりSEOの基本は被リンクだと思います。「他のサイトからリンクされているサイトは価値のあるサイトである」という考えはグーグルの創始者であるラリー・ペイジ氏が発案した検索エンジンでの表示順位を決定づける重要な価値判断の考え方です。その名を取って「ページランク」(*3)とも言われています。創業当時の考え方をグーグルが捨てるとは思えません。

 ただし、不自然な被リンクは即グーグルから警告を受けてしまいます。まずは自然な被リンクを確保しつつ、その次に地道に良質なコンテンツを増やしていくことが「税理士+地域」のキーワードで上位表示する唯一の方法かもしれません。ブラックな手法(*4)は使わず、地道にSEO対策していく他に道はないと思っています。

(*2)2010年くらいまでは、ヤフーカテゴリに登録して、重要キーワードをH1タグやタイトルタグに埋めこむだけで容易に1位表示できていました。しかし現在は、「税理士 豊中」のようなローカル地域でも1位に表示することは困難になっています。
(*3)本来の意味はその名の通り、ページのランク(page rank)。
(*4)SEO業者によっては、ロリポップなどの安価サーバーの一番安いプランを契約して、独自ドメインを取り、wordpressなどでサイトを量産しているようです。そして、それらのサイトにキーワードを被リンクで埋め込み、ライターに安価で記事作成を外注しているなんてことも聞きます。

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