税理士業務はなぜ顧問契約のスタイルなのか

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世の中に「士業」と言われる職業が多くあります。税理士の他にも行政書士、司法書士、弁護士、弁理士など。そして基本的に、税理士以外で顧問契約のスタイルを採るのは、一部の弁護士業務だけで、その他の多くの士業は顧問契約のスタイルを採りません。1案件ごとのスポット業務であることが多いのです。

では、なぜ税理士業務が顧問契約のスタイルを採っているのでしょうか。本日のエントリーでは、その理由を書いていきたいと思います。

定期的なモニタリングの重要性

例えば、持病を持った人は定期的に病院に診察に行くことが多いかと思います。血液検査その他問診を受けることによって現在の健康状態を主治医に診てもらい、必要があれば投薬を行うなど持病の悪化を予防しています。病気が悪くなっていないか、新たな治療、検査、投薬が必要なのか、また新薬を試してみる必要性があるのか等々。

医師に定期的に診て貰っていると、何か問題が起こった時や持病が悪化した時、直ちに適切な治療を受けることができ、たとえ持病が悪化しても最小限に食い止めることができるのです。日頃から自分の健康状態を把握しておくことは、自身の健康管理の上でも重要なことです。

企業経営も同じで、事業環境の周辺において様々な税務上の「検討事項」「税務リスク判断」「今すぐ解決しなければならない問題」等が発生します。また、税務署などの役所への届出書や提出書類などの事務処理事項も発生してきます。定期的に専門家が会社の税務会計の状況を把握しておくことで、不利な税務会計処理方法を選択することを防ぐことができ、問題が発生しても迅速な対応が可能となり事態の悪化を最小限に抑えることができます。また、税理士と「契約」することにより、経営者は税務上のリスクや税務処理の責任などを回避することができます。

そのような為にも自社のことをよく知る税務会計の専門家に日頃から会社の状況を把握してもらい、また適切なアドバイスを受けることで経営者は安心してビジネスに集中にできる環境を作ることができます。

検討事項、問題、事務処理とは

・消費税の課税方法で原則課税か簡易課税かどちらがが有利なのか?また、手続きはどのように、いつまでにすればいいのか?
・来期に多額の設備投資をしたいのだけど?
・役員給与はどのように設定すればいいのか?
・税務署からこのような書類が届いたけど、どのように対応したらいいのか?
・資産を購入したけど有利な減価償却方法はどの方法なのか?
・長年の役員借入金が多額に溜まってしまっている。このままにしていて大丈夫なのか?
・自社の会計処理方法は正しいのだろうか?節税型の会計処理になっているのだろうか?
・予想以上に利益が出てしまった。節税対策はどのようにすればいいのか?
・従業員を雇おうと思ってるんだけど、何か手続きが必要なのだろうか?また給与計算はどのようにすればいいのか?
・1月と7月の源泉所得税の納付
・年末調整業務そのた法定調書合計表作成
・借入の必要が出てきて、銀行から試算表の提供を求められた
・借入の際、銀行から決算書の内容を聞かれ答えられなかった
・償却資産申告書作成
・所得拡大促進税制や雇用促進税制を利用できないかどうか

などなど、ほんの一例を書きましたが、上記以外にも多くの検討事項や問題事項があります。

決算だけの契約では対応が難しい

一方、顧問契約のスタイルではなく、決算だけの契約の場合は、上記の「検討事項、問題、事務処理」ができなくなります。なぜなら、そのそれらの業務や事項を行うために、結局は期首からの会計や会社の状況をすべて正確に把握、精査する必要があるからです。やはり定期的に企業の税務会計をモニタリングする必要があるのです。

まとめ

会社を設立し、事業を行っていくというのは、経営者にとって未知の、多くの税務会計上の検討事項や面倒な問題が待ち構えています。そのような状況でも迅速な対応をするためには、専門家が日頃から貴社のことをよく知っておく必要があります。その為に、一般的な税理士業務では、顧問契約というスタイルを採用しているのです。


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