【映画】「ディーパンの戦い」を観ました。

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先週末、ジャック・オーディアール監督の「ディーパンの戦い」をitunesで購入して観ました。移民問題を扱った作品で、第68回カンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞しました。日本では2015年の上映作品です。他に彼の作品では「君と歩く世界」を観たことがあります。どちらかというと、衝撃的でインパクトのある作品を手がける監督という印象です。パルムドールを受賞した過去の作品は必ず観てきたのですが、今年はいろいろと忙しく、やっとこのタイミングで観ることができました。

生まれ育った国を紛争等で出て行かざるをえないという事実は、平和な日本で暮らしている自分にとっては、頭ではわかってはいるものの、こうして映画で観ていると改めて衝撃を受けました。祖国を離れ、移民先の国でも、満足に学校に行くことさえ出来ない子どもたち、大人たちも言葉の問題で働き口さえ見つけられず、路上で違法な物売りをせざるをないという現実。たとえ、働き口を見つけれたとしても、(この映画では)麻薬売人に占拠された劣悪マンションの管理人とその売人の世話をするという仕事でした。移民として他国で生きているこということが、どれだけ困難なことであるかということが、この映画を見るだけでも十分に理解することができました。

そしてこの映画のもうひとつの主題は家族愛です。偽装家族として内戦中のスリランカを脱出して、安住の地を求め、フランスという外国の地で奮闘する他人同士が、祖国を離れ、慣れない外国で同じ時間、経験を共有することによって新たな関係性が生まれ、それがやがて家族になる過程も詳細に描かれていました。

現在のフランスでは、移民2世や3世、新たな移民、そしてフランスで生まれ育った人たちのメルティング・ポットと化しています。そして、それらの人たちの間には、決して取り払うことの出来ない大きな壁があるのだと感じました。

映画のロケ地は、パリ郊外イル=ド=フランス地域圏のイヴリーヌ県の都市、ポワシー(poissy)という小さな街。また、パリといっても世界遺産に指定されている中心地を少し離れるだけで、本当に危険な地域がたくさんあります。現在も、パリ市内に多くの移民が路上で暮らし、北部カレーの街ではイギリスへ向かおうとする移民たちのキャンプがあります。「ディーパンの戦い」を観ると、新たなフランスの側面を知ることができるかもしれません。


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