東日本大震災の義援金に対する寄付金控除について




  東日本大地震の影響はまだまだ落ち着くこともなく、未だ予断を許さない状況が続いています。一方、各方面で義援金の提供が行われています。

 当事務所では、お客さんから寄付金控除について、いろいろと聞かれることが多かったので、この機に「寄付金控除」について書いてみたいと思います。今回は法人でなく個人の方が寄付金を行った際の税制上の取り扱いについて書いてみたいと思います。

 

寄付金控除とは 

今回の地震で個人が寄付をした場合の具体的な取り扱いですが、「寄付金を行った人の、その年の(ここでは平成23年です。)総所得金額の40%を限度として、寄付金から2千円を控除した金額が、寄付金控除の対象となります。

 

例として、10000円の寄付をした場合は、

10000円ー2000円=8000円となり、この8000円が寄付金控除の対象金額になります。

 

そして寄付金控除の適用を受けるためには、支払った証拠としての「領収書等の証明書類」が必要になります。なので、よくコンビニ等のレジ前に置かれている募金箱にお金を入れたとしてもそれは寄付金控除の対象にはなりません。なぜなら、支払った証明がもらうことができないからです。

 

日本赤十字社への寄付 

 個人が日本赤十字社への寄付したものとして書いていきます。

 

 所得税法第七八条において、「納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、『特定寄附金』を支出した場合には、所得控除を受けることができます。」とあります。

 では、『特定寄付金」とは、どういったものを指すのでしょうか。限定列挙で(1)〜(8)まで記載されています。この(3)のハに「日本赤十字社」の記載があることがわかります。しかしこれは、日本赤十字の主たる目的である業務への寄付金になります。しかし、今回の義援金は日本赤十字の主たる業務への寄付ではなく、災害を被った都市や地域等への地方公共団体への寄付になります。

 

 なので、今回の日本赤十字への義援金(寄付)は、あくまで日本赤十字という「募金団体」を通じた地方公共団体への義援金(寄付)の拠出となります。

 日本赤十字社への直接の寄付ではないので、あくまで日本赤十字社は一旦預かっているだけで、最終的には義援金配分委員会を通じて、地方公共団体等へ拠出されます。つまり、今回は(3)のハではなく、(1)の「国、地方公共団体に対する寄附金」に該当することになります。

 「募金団体」を通じた地方公共団体への災害等に対する寄付等も「特定寄付金」に該当することは、下記の平成23年3月15日の公表の国税庁の文書にて明文化されました。

 

 国税庁の対応

今回の大地震の影響を鑑み、国税庁は平成23年3月15日の日付で、「募金団体を通じた義援金等に係る税務上の確認手続きについて」と題する文書を公表しました。

個人又は法人が、「災害に際して、募金団体に義援金等を寄附する場合でも、その義援金等が最終的に国、地方公共団体に拠出されるものであることを税務署が確認できれば、「国等に対する寄附金」として、税制上の優遇措置を受けることができます。」と記載されています。

 

 このように国税庁の対応も非常に素早く、直接、日本赤十字社、報道機関等に対して支出する義援金等で、最終的に地方公共団体に拠出されるものは、特段の確認手続きを要することなく、「国等に対する寄附金」に該当することが明確化されたのです。

 

住民税の寄付金控除

 本来であれば、住所地の日本赤十字社への寄付金のみが住民税の寄付金控除の対象になります。しかし、今回は義援金配分委員会等を通じて、最終的には、国、地方公共団体等へ拠出されることになります。なので、たとえ日本赤十字社のHPから寄付を行ったとしても、それは住民税の寄付金控除の範囲になるとのことです。

 

今後の寄付金控除について

 現在、検討中のようでありますが、差し引くことができる額の上限を現行の「総所得の40%」から引き上げられる可能性が高いとの情報があります。

また今回の震災に関して、住宅や家財、店舗などの損害に応じて所得税を減税する雑損控除などの制度を、被災者の2010年分の所得に対しても適用することも同時に検討されています。

 

主な義援金の提供先

http://bokin.yahoo.co.jp/donation/detail/1630001/index.html ヤフーボランティア

http://www.akaihane.or.jp/ 赤い羽根募金

https://gienkin.jrc.or.jp/  日本赤十字